所有者不明土地は購入可能?買いたい土地が所有者不明の場合の対処法を弁護士が解説

所有者不明土地は購入可能?買いたい土地が所有者不明の場合の対処法を弁護士が解説
この記事を書いた弁護士は…

「ふと訪れた地で、賃貸経営に理想的な土地を見つけた。現地の様子から、どうも有効利用がされていないように思われる。しかし、謄本を取得して記載の所有者に連絡を試みても、一向に連絡が取れない……」。

このような場合であっても、諦める必要はありません。たきざわ法律事務所がサポートすることで、この土地を買える可能性があります。今回は、「所有者が不明である土地を買いたい」と希望する方に向けて、土地を買う方法や流れを弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(たきざわ法律事務所)は不動産オーナー様や不動産会社様の味方であり、土地にまつわるあらゆる困りごとへのサポートが可能です。「買いたい土地があるものの、所有者と連絡が付かず交渉段階にまで進めない」とお困りの際は、たきざわ法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。

▼この記事のポイント

  • 所有者が不明な土地であっても、「土地・建物に特化した財産管理制度」を使うことで買える可能性がある
  • その土地を買いたいと希望する人も、「土地・建物に特化した財産管理制度」の申立てができる可能性がある
  • まずは弁護士に相談をして、土地購入までの見通しを立てるのがおすすめ
目次

「所有者不明土地を買いたい」について想定されるストーリー

この記事で想定しているのは、次のようなストーリーです。

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不動産経営に関心をもっているA氏が観光に出かけた際、偶然気に入った土地や古家を見つけました。その土地や古家は現在有効利用されているようには見えず、「もったいないなぁ」と感じます。

A氏は、自分がその場所で民泊やアパートなどの賃貸経営をしたいと考えました。そこで、不動産の謄本を取得したうえで、登記上の所有者宛に物件の購入を希望する旨を記載した手紙を郵送しています。しかし、数日後、「あて所に尋ねあたりません」として郵便物が返送されてしまいました。

所有者と連絡が取れない以上、所有者と直接交渉をして土地や古家を買い取ることはできません。

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この場合、A氏がこの物件を購入する手立てはないのでしょうか?

実は、このような場合であっても、A氏がこの土地や古家を購入できる可能性があります。それは、「土地・建物に特化した財産管理制度」を使って裁判所にその土地・建物の管理人を選任してもらい、その管理人から物件を買い取る方法です。

この方法について、解説を進めます。「解説を読むより先に、まずは弁護士に直接相談したい」という場合には、たきざわ法律事務所までお気軽にご連絡ください。

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所有者不明土地を買いたい場合に使える可能性がある「土地・建物に特化した財産管理制度」とは?

「土地・建物に特化した財産管理制度」は、2023年4月1日に施行された比較的新しい制度です。この制度を使うことで、所有者の分からない土地や建物を買える可能性があります。

この制度の概要について解説します。

土地・建物に特化した財産管理制度の概要

「土地・建物に特化した財産管理制度」とは、特定の土地や建物についての管理人を、裁判所に選んでもらう制度です。

所有者と連絡が取れなくなっている「所有者不明土地・建物」は日本中に散見され、社会問題となっています。所有者が分からなくなった土地や建物は管理不全となり、倒壊したり野生動物の繁殖地となったりするなど、近隣住民の迷惑となりかねません。また、災害復興や都市開発の妨げとなる可能性もあります。

そこで創設されたのが、この「土地・建物に特化した財産管理制度」です。この制度によって選任された管理人は、対象の土地・建物の通常の管理(メンテナンス)ができるほか、裁判所の許可を得て、古家を解体したり、土地・建物を売却したりすることも可能です(建物については、別途、所有者不明建物管理命令が必要です)。

土地の上に、土地とは所有者が異なる古い建物が建っている場合の進め方は、次の記事で解説しています。

「不在者財産管理人制度」との違い

「不在者財産管理人制度」とは、従来の住所や居所を去って容易に戻る見込みのない者(不在者)の財産を管理する人を、裁判所に選任してもらう制度です。管理人は、家庭裁判所の許可を得ることで、不在者名義の財産を売却することもできます。

ただし、不在者財産管理人は不在者の財産を包括的に管理する立場にあり、「特定の土地だけ」など一部の財産だけを管理するわけではありません。

つまり、先ほど紹介した「土地・建物に特化した財産管理制度」が「土地・建物」を単位とする制度であるのに対し、この「不在者財産管理人制度」は「人」を単位とする制度であると整理できます。

そのため、「所有者が不明となっている特定の土地や建物を買いたい」場合には、不在者財産管理人制度ではなく、「土地・建物に特化した財産管理制度」の活用を優先的に検討すべきでしょう。

所有者不明土地を買いたい場合の流れ

所有者が不明となっている土地や建物を買いたい場合、所有者が不明であることが判明した時点で弁護士に相談するのがおすすめです。ここでは、所有者不明土地を買うまでの流れを解説します。

  1. 全部事項証明書で権利関係を調査する
  2. 全部事項証明書に記載の「所有者」に連絡を試みる
  3. 弁護士に相談する
  4. 相続関係をたどって現在の所有者を調査する
  5. 所有者不明土地の管理人選任を申し立てる
  6. 選任された管理人がその土地の管理を開始する
  7. 管理人から所有者不明土地を購入する

1.全部事項証明書で権利関係を調査する

買いたい土地がある場合、まずはその土地の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得して、登記上の所有者の住所と氏名を確認します。

登記上の所有者が会社で、その会社が解散していた場合の買い方は、次の記事で解説しています。

2.全部事項証明書に記載の「所有者」に連絡を試みる

次に、登記上の所有者に土地の購入を打診するための連絡を試みます。ここまでは、一般的な土地の購入と同様でしょう。

3.弁護士に相談する

連絡文書が「あて所に尋ねあたりません」として返送されるなど登記上の所有者に連絡がつかない場合には、弁護士に相談します。相談先には、不動産法務に力を入れている事務所を選ぶとよいでしょう。

お困りの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。

4.相続関係をたどって現在の所有者を調査する

登記上の所有者に連絡がつかない場合、その理由としては次のものなどが想定されます。

  1. 所有者が引越しをしたものの、住所の変更登記をしていない
  2. 所有者が亡くなったものの、相続登記をしていない

これらの場合、弁護士が調査をすることで、現在の所有者が見つかる可能性があります。そのため、まずは弁護士に依頼して、権利者の探索を行います。

所有者の調べ方や、所有者の相続人の1人と連絡が取れない場合の進め方は、次の記事で解説しています。

5.所有者不明土地の管理人選任を申し立てる

探索してもなお現在の権利者が見つからない場合には、「土地・建物に特化した財産管理制度」を活用して管理人の選任を申し立てます。

この制度に基づいて管理人の選任を申し立てられるのは「利害関係人」に限られるものの、次の人も利害関係人として申立てができる可能性があります。

  • その土地を買い、土地上で賃貸経営(アパート建築、民泊など)をすることを希望する人
  • その土地を買い、自分が住むことを希望する人

一方で、転売目的である場合には「利害関係人」に該当せず、申立てができない可能性が高いでしょう。

利害関係人の範囲は、次の記事で詳しく解説しています。

6.選任された管理人がその土地の管理を開始する

裁判所によって管理人が選任されたら、その管理人が該当の土地の管理を開始します。管理人には、弁護士や司法書士、土地家屋調査士などの専門家が選任されることが一般的です。

7.管理人から所有者不明土地を購入する

裁判所によって選出された所有者不明土地の管理人は、その土地を売却する権限も有しています。そのため、土地の購入を希望する場合、この管理人との間で売買契約を締結することとなります。

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土地・建物に特化した財産管理制度を使って所有者不明土地を買いたい場合の注意点

「土地・建物に特化した財産管理制度」を使って所有者が不明である土地を買いたい場合、次の点に注意が必要です。

  • 購入後の用途によっては買えない可能性がある
  • 「所有者不明土地を安く買える」制度ではない
  • 早く土地を買いたい人には向かない

購入後の用途によっては買えない可能性がある

「土地・建物に特化した財産管理制度」の管理人選任の申立てができるのは、利害関係人に限られます。単に「その土地を買って転売したい」という場合には利害関係人に該当せず、申立てができない可能性が高いでしょう。

一方で、「その土地上で賃貸経営をしたい」場合や「その土地上に自らが住みたい」場合などには、具体的な準備や計画があることを条件に、利害関係人として申立てができる可能性があります。

まずは弁護士に相談をしたうえで、ご自身が申立人となれそうかどうかの見通しを立てるとよいでしょう。

「所有者不明土地を安く買える」制度ではない

「土地・建物に特化した財産管理制度」は、「所有者の分からない土地を安く買える」制度ではありません。

管理人が選任された所有者不明土地を買い取る場合、その売買価格は近隣の取引価格などを基準として管理人との協議によって決めることとなります。また、状況によっては、裁判所に価格の相当性を説明すべき場合もあります。

「土地を安く買える」制度ではないため、誤解のないよう注意しましょう。

早く土地を買いたい人には向かない

「土地・建物に特化した財産管理制度」は、「早く土地を買いたい」というニーズには適しません。裁判所が関与する手続きであることから、準備期間を含めると、最終的に売買契約を締結するまでには半年から1年程度の期間を要する可能性が高いでしょう。

そのため、長期的な視点で取り組むことをおすすめします。

所有者不明土地を買いたい方はたきざわ法律事務所にご相談ください

所有者が不明となっている土地や建物を買いたい方は、たきざわ法律事務所までご相談ください。ここでは、当事務所の主な特長を3つ紹介します。

  • 不動産オーナー様や不動産会社様の味方である
  • フットワークが軽い
  • 状況に応じた柔軟な解決策を提案する

不動産オーナー様や不動産会社様の味方である

たきざわ法律事務所は、不動産オーナー様や不動産会社様の味方であり、豊富なサポート実績を有しています。不動産法務にくわしい弁護士が法律や制度を駆使してお客様の理想の未来を叶えるお手伝いをしますので、まずはお気軽にご相談ください。

フットワークが軽い

たきざわ法律事務所はフットワークの軽さを自負しており、「できるだけすぐに相談したい」などのご要望にも可能な限りお応えしています。

なお、顧問契約にも対応しており、顧問契約をいただいた際はより優先的かつスピーディーな対応が可能となります。「日頃から弁護士に気軽に相談したい」とご希望の方は、顧問契約もご検討いただくことをおすすめします。

状況に応じた柔軟な解決策を提案する

たきざわ法律事務所はお困りごとを型に当てはめるのではなく、状況やご相談者様のご希望に応じた柔軟な解決策を提案しています。そのため、多くのクライアント様から「相談してよかった」、「任せてよかった」とのありがたいお声をいただいています。

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所有者不明土地の購入に関するよくある質問

最後に、所有者不明土地の購入に関するよくある質問とその回答を4つ紹介します。

「所有者不明土地を買いたい」人は土地・建物に特化した財産管理制度の申立人になれる?

「所有者不明土地を買いたい」と希望する人も、「土地・建物に特化した財産管理制度」の申立人となれる可能性があります。

ただし、購入する目的によっては申立人となれない可能性があります。まずはたきざわ法律事務所までご相談ください。

所有者不明土地の所有者を調査した結果現在の権利者が見つかったらどうなる?

調査の結果、現在の権利者が見つかった場合は、通常どおりその権利者と土地の購入についての交渉をすることとなります。権利者が売却を拒む場合は、当然ながら、強制的に土地を買い取ることはできません。

所有者不明土地を買いたい場合のサポートを弁護士に依頼する場合にかかる費用は?

所有者不明土地を買いたい場合のサポートを弁護士に依頼する場合にかかる費用は、1件あたり30万円から100万円程度が目安となります。

ただし、事案や状況などによって費用は大きく変動します。まずは初回の相談をしたうえで見積もりをとるとよいでしょう。

所有者不明土地を買ってすぐに転売してもよい?

所有者不明土地を購入してすぐに転売する予定である場合、「土地・建物に特化した財産管理制度」の申立人になれない可能性が高いでしょう。まずは弁護士に相談したうえで、最適な対応策を検討することをおすすめします。

まとめ

所有者が分からない土地を買いたい場合の手続きや流れなどについて解説しました。

土地の所有者が分からない場合、土地の購入について所有者と直接交渉することはできません。そこで、「土地・建物に特化した財産管理制度」を使って裁判所にその土地の管理人を選任してもらい、その管理人から土地を買い取ることが有力な選択肢となります。

管理人選任の申立てができるのは「利害関係人」に限られるものの、「賃貸経営をしたい」や「自分が住みたい」などの具体的な準備や計画がある人も、利害関係人に該当する可能性があります。所有者が不明となっている土地を買いたい場合には、まずは弁護士に相談をしたうえで、具体的な進め方などを検討するとよいでしょう。

たきざわ法律事務所は不動産オーナー様や不動産会社様の味方であり、「所有者の分からない土地を買いたい」などの困りごとへのサポートも提供できます。所有者の分からない土地を買いたいとお考えの際は、たきざわ法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。

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